2020年03月01日

ウルトラ戦闘の効率(10)

前回、「ポーズが必要な技は効き目(効率)に問題あり」という話をしましたが、逆に光線自体はノーモーションで出せるが、そのときだけ動きが止まるタイプも多かった気がします。

たとえばウルトラセブンに登場したビラ星人などは、かなりの至近距離からビームを放ったにもかかわらず、あっさりとバリアに阻まれます。

この時セブンがバリアを張る動きは、胸前に突き出した両手を、肘を伸ばしたまま左右に広げるというものです。

実際にやってみるとわかりますが、これはかなり緩慢な動きで、至近距離から発射された光系の攻撃に対して十分な効力を発するには、どう考えても時間がかかり過ぎな気がします。

おそらくビラ星人は、動きを止めた時点でセブン側からボクサー並みのフェイントを仕掛けられて動揺し、光線の出し時を失ってイップス状態になり、そこに付け込んだセブンによって、“撃った”というより“撃たされた”状態だったことがうかがえます。

セブンにとっては、自分がコントロールして出させた光線ですから、間の取り方は十二分に把握済みです。

『見てから防御余裕シタ』


あの半笑いの唇が、如実にそれを物語っています。

消された時間

「ヨーシヨシヨシヨシ」

王国の新たな仲間『ビラ』を手なずけるムツトラセブン


posted by 四緑文鳥 at 11:21| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年02月29日

ウルトラ戦闘の効率(9)

口から何かを吐き出す前に、一旦のけぞって頭部を背後へ傾ける怪獣の姿を思い浮かべる人は多いと思います。

口の中のスイカの種を遠くに飛ばそうとして、一度上半身をを反らす動きなど、人間にとってもお馴染みの動きなので、攻撃時の怪獣の気持ちは大変わかり易い。 

しかし、口から炎や光線を吐く怪獣が、大きく頭をのけぞらすアクションというのはかなり危険です。

相手がウルトラマンだから、その無防備な状態を温かく見守ってくれますが、戦いの相手がアブドーラ・ザ・ブッチャーだったら、そのむき出しの喉元へ強烈な地獄突きをお見舞いするはず。

喉をおさえて悶絶する際に口を閉じてしまったら、出しかけた光線や炎が、自分の口の中に命中して大惨事になります。

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ゴンですら、「ジャジャン拳」で力を溜める際の無防備体勢を取るときは、地獄突きを喰らわないように姿勢を低くし、顔は伏せています。

ゴンのように、セリフを伴う技の場合、喉は大事にしなければなりません。無言でやると三村さんに「しゃべれよ!」と突っ込まれる羽目になります。

猛暑日の王子は遊び心がある街/十条で歳相応のビフォーアフター


それから、突き出した両手の先から光線を放つタイプの敵もいますが、結局、やってることはウルトラマンと一緒です。

メフィラス星人などがそうですが、彼などは特に「暴力は嫌い」と自分から暴露しているだけに、両手を突き出すポーズは、柔道の組手をするためであるわけがない。

絶対に「飛び道具が来る」と予想できます。手先に注意していればよい。

禁じられた言葉

やはり「ポーズを取って技を出す」という行為自体、戦いの場における禁忌といえます。
posted by 四緑文鳥 at 20:36| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年02月28日

ウルトラ戦闘の効率(8)

前回紹介したような、バブル後に登場した特殊能力者たちは、シビアな粗利獲得テクニックを身に付けた企業群のごとく、己の技能にレバレッジをかける術を心得ています。

それに比べると、ウルトラマンの技にはフェイントも無いため、「ラグあり、ポーズあり、発射点固定」の条件は、敵からしたらよけやすさ満点で、リーチが長いだけの脅威しかないかもしれません。

ウルトラマンたちは、おおむね敵の怪獣よりスピードがあるため、クロスレンジに踏み込んでからの打ち合いが強いと思うのですが、なぜか彼らは接近戦での打撃が少ない気がします。

せっかくの利点を活かせていないように思うのですが、そんな気がしませんか?

私の主観かもしれませんが、彼らが敵と至近距離で対峙した場合、組み付いてもみ合っていることが多く見えます。

ケンカ慣れしていないのでしょうか?

せっかく怪獣を投げ飛ばしたのだから、団長がヒソカにやったみたいに激しくスタンピングしてもいいですし、ひっくり返って素早く移動できないでいるこの瞬間こそ、ラグのある光線発射には絶好の機会のはずですが、なぜか怪獣の上にダイブしたりして、自ら得意攻撃の機会を失っている印象を受けます。

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そこまでして彼らが使用状況にこだわる光線技の効率の悪さは、それを素直に受け入れてくれる怪獣側の大らかさによって助けられています。


いや、それだけでなく、怪獣たちも飛び道具を出す前に、モーションが大きい傾向があるようです。
posted by 四緑文鳥 at 19:28| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

ウルトラ戦闘の効率(7)

第6回からついついザラガスの話を広げてコラムまで書いてしまったのですが、ここでもう一度、光るだけで敵への与ダメージがある技と、「光線」を飛ばして当てるウルトラマンの戦闘効率について考えてみたいと思います。
ウルトラ戦闘の効率(6): データベースのトリセツ番外編(完全版w)
ザラガスの「閃光自体が攻撃」という速度MAXの技と比べてしまうと、ウルトラマンのスペシウム光線などは、手刀部が光ってから敵に当たるまでのラグがあります。

さらにその前に決まったポーズを取る必要があるし、発射点も必ず一定の場所からとなっています。

敵からすれば、ウルトラマンが距離を取ったときはポーズに注意し、ポーズを取った後も右手の手刀部を注視すれば、攻撃をかわすことができそうです。

Hunter×Hunterのゴンが使う「ジャジャン拳」は、「最初はグー!」と、敵の目前で完全に目線を外して右手に力を込め、一切の防御を捨ててパワーの集中に専念するという段階が必要です。

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そして攻撃は必ず右手によって行われます。しかもリーチは短い。

クロスレンジでこの構えに入られた場合、無防備のゴンを好きなように攻撃もできるし、逃げることも可能です。

技を出すまでの手間ヒマの多さはとかく非効率さを際立たせますね。

ヤマトの波動砲などはその究極の姿かもしれません。

もっとも、ゴンは「グー」の打撃以外に「チョキ」の切断や「パー」の遠距離攻撃を持ち合わせていますし、ゴンと同じ念能力者と目される幕の内一歩などは、ゴンの「ジャジャン拳」に見せかけて、ゲンスルーの「一握りの火薬 (リトルフラワー)」を両手で使ってくるしたたかな一面も持つ可能性があるため、注意しないと一発で腹部がえぐり取られて欠如したり、正体の分からない何かの破片が飛び散るほどのダメージを受けてしまいます。

ポスターはじめの一歩(A)-幕の内-A3(42x30 cm)

彼らは、効率の悪さを逆手に取ったフェイントで虚実を織り交ぜ、結果的に多彩な攻撃と化す狡猾さを持ち、それぞれ戦いに活かしているようです。
posted by 四緑文鳥 at 07:02| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

ウルトラ戦闘の効率 (コラム【1】敵の成長)

本稿の第6回で登場したザラガスのように、攻撃を受けるたびに強くなるキャラというのは、エンターテイメントの世界では、使いようによって無限の可能性に満ち溢れています。
ウルトラ戦闘の効率(6): データベースのトリセツ番外編(完全版w)
しかし、このキャラを使いこなす難易度は、作品を楽しんでいる側である我々の想像を超えて高いらしく、あまりパッとした奴はいないようです。

たとえば幽遊白書に出てきた黒桃太郎や、仮面ライダーカブトに登場したカッシスワーム、他にも北斗の拳によく出てきたケンシロウというヤツなどもこのタイプです。

幽★遊★白書 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)



第42話



北斗の拳 ケンシロウ&黒王号200X

ヘタに戦うとかえって強敵になってしまう相手を、どうやって攻略していくのかも、作品の見せ方のバリエーションを広げてくれます。

しかし結局、育てすぎるとオーバースペックで扱いきれず、説明抜きで倒されたり自己崩壊して力を失うなどの憂き目にあい、実力を全うできずに終わることがほとんどです。

ファンド運用やFXなどで短期的に巨額の財産を手にした人が、それに振り回されて不幸になってしまう例は多いようですが、中にはそうならない人もいます。

どんなに大金を得ても「これは借り物。自分のものじゃない」と思えるメンタリティの持ち主がそうであるようで、そういう人は、とんでもない財産目録を持ちながらも、そのことを忘れているかのように飄々としていられるらしいです。

持っているのに、持っていないかのように生きる。 

思いがけずチート級の技を持ってしまったなら、読者には「使うのはあのシーンだけだったけど、あれってスゲエぜ」という記憶だけにとどめてもらうのが、廃れない秘密かもしれません。

ケンシロウさん、北斗神拳奥義『水影心』のタイトルコール、1回だけにしといて正解でしたね。


北斗の拳 全15巻・全巻セット (集英社文庫(コミック版))
posted by 四緑文鳥 at 07:01| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする
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