2020年03月28日

ウルトラ戦闘の効率(14)

先に科学センターに潜入したアラシの体を操って、ハヤタと地球への移住について交渉するバルタン星人。

アラシと言ったって、石井伊吉…つまりは毒蝮三太夫ですから、このときの交渉の相手がおばあちゃんだったなら、20億3千万の仲間たちが、一人残らず谷根千に住めるよう取り計らってくれたことは間違いありませんが、残念ながらこの時に掛け合ったのはハヤタです。

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このシーンでハヤタが「火星に行けばいいじゃないか」と、バルタンを隣の惑星へ行くように促します。

隣の星に20億人のバルタン星人がいる状態が好ましいものとは到底思えませんが、とにかくハヤタはこいつらに地球へ来られては困るので、何とか追い出そうとします。

しかしこのとき、操っているアラシの体を借りて、バルタンは妙なことを言います。
「ダメだ。火星には我々の嫌いな○○○○○がある」

なぜこんな、聞かれてもいない自分たちの弱点を、初対面のハヤタに明かしてしまったのでしょう。
しかも、音声こそ消したものの、アラシがゆっくりと口パクしているので、どうみても「スペシウム」としゃべっている様子がわかる。

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300万光年のかなた、株式会社M78からたまたま地球に常駐しているウルトラマンとしては、まるであつらえたかのようなシチュエーションにビビッときて、バルタンを結婚相手と見誤ったかもしれません。

なぜわざわざ故郷の星から、このタイミングで地球にやって来た?
スペシウム光線を当てられに来たのか? 竜ちゃんか?
「撃つなよー、撃つなよー」と言いながらタイミング図り
撃たれたら大げさなリアクションして「訴えるぞ!」と言いたいのか?

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ここは是が非でも交渉を荒っぽく決裂させて、戦いに持ち込みたいと、ハヤタはほくそ笑んだことでしょう。


そんなハヤタの下心はさておき、いきなり自分たちの弱点を暴露したバルタンに、違和感をおぼえた方はいないでしょうか?

彼らの二つ名は「宇宙忍者」。
忍びの者がそんなに口が軽くて仕事が務まるのか。

いや、ここにはきっと、我々視聴者には見えないからくりがあるはず。

おそらくカットされたシーンがありそうな気がする。
ハヤタはバルタンを取調室に連行し、電灯の光を顔に浴びせたり、机を叩き、椅子を蹴とばすなど激しいアクションを展開していたことでしょう。

「火星へ行けばいいじゃないか」
と詰められたバルタンは最初
「いや、火星は我々が住むにはふさわしい場所とは言えない」
など、火星へ行けない理由はぼやかして答えたに相違ない。

しかし、ハヤタの尋問テクニックが、バルタンにいい加減な表現を許さなかった。
洗いざらいしゃべらざるを得ないところまで追い込まれたのでしょう。

尺の都合上カットされ、私たちが目にすることができなかったハヤタの尋問。
それはそれは絶妙なもので、しかるべきギミックが行使されていたに違いない。
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おふくろさん


昭和かよ!
(ウルトラマンは昭和41年作品です)

posted by 四緑文鳥 at 21:37| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月22日

ウルトラ戦闘の効率(13)

攻めも守りも効率が悪い。
そして、敵も味方もまた、効率が悪い。

ウルトラの戦闘は牧歌的な、古き良き時代のゆったりとした世界観の中で行われていることが、これまでの記事から見えてきました。

しかし、そればかりとは限りません。
少しばかり違った面から眺めてみましょう。

ウルトラマン第2話で登場したバルタン星人は、科学センターの建物の中で、既に捕らえて操っているアラシの体を借りて、ハヤタと会話をします。

侵略者を撃て

(古き良き時代を思い起こさせる「黒板消しを頭に落とすいたずら」
彼がこれで地球への移住を諦めたことはあまりにも有名だ)



バルタンは故郷の星を失って、移住先を探しています。
本船は近くの宇宙空間に停泊させていて、その中には仲間たちがいる。

平和的種族なら、地球のどこかに住まわせてもいいのかもしれない。

しかし、停泊中の宇宙船に乗っているのは、小型化した20億3千万人のバルタン

これは到底受け入れられるものではない。
交渉は決裂し、バルタンは実力行使を始める、といった流れです。

ただし、戦いはウルトラマンが勝利し、すぐに宇宙船を探して爆破します。

20億人以上の侵略者を相手に戦った割には、あっけないほどの幕切れでした。

ここまでの効率の良さを実現させた秘密は何でしょう。

それは、戦う前にしっかりと予習しておいたからにほかなりません。
「段取り8分、仕事2分」はウルトラ戦闘にも当てはまります。

一番良いのは戦う前に大伴昌司さんと打ち合わせておくことですが、それはチート技の反則行為として禁じられています。
(大伴さんのフルネームを確認しようとGoogleに『大伴』と入力したときの予測変換で気になった『大伴理奈』が気になって検索したら、思いのほかの美女ぶりに執筆が止まったので載せときます)
週刊プレイボーイ! | 大伴理奈オフィシャルブログ「RinaBlo」Powered by Ameba

気を取り直して再開しよう。

この時のハヤタは、バルタンに地球への移住は諦めて、お引き取り願おうとします。
ただ、当然のことですが、人にお断りを言上する際は、言葉選びに気を付けなければなりません。

一方的に「出ていけ」と言えばケンカになります。
同行しているイデは、建物に入る前から完全なビビリでアテになりません。

そんなこんなで交渉人は、ハヤタひとりで務めることになります(セクシー路線を重ねてみた)。
その交渉についての考察を、次回は書いてみたいと思います。

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posted by 四緑文鳥 at 07:22| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月15日

ウルトラ戦闘の効率(12)

ウルトラマンも怪獣も、防御がスカスカで話にならないわけですが、これにはきっと「防御にあくせくするヤツは度量が小さい。ダサい」といった、あの人たちなりの価値観や美学があるのかもしれません。

お互いに相手の攻撃が緩慢だから、早めに防御に入りすぎると「ガツガツしやがってアイツ!」と、仲間から嫌われるのではないでしょうか。

「アイツちょっと何かあるとすぐ防御するんだよな」

「そうそう。オレもこないだちょっと手首んとこカユイから右手でブレスレットんとこに触った瞬間!……チョーアイツビビッて山のかげのトコに隠れてさ」

「見てたみてたソレ! 『元々そこに用があっただけですけど何か?』みたいな顔してたけど、そんときアイツさぁ、焦って山の尖ったとこに腕ぶつけて血ィ出てんのチョーダサくね?」


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ウルトラブレスレットというチート技を持った新マンにこんなことを言われた怪獣が気の毒に思えますが、およそウルトラの世界とは鷹揚な雰囲気に支配されているらしく、猛烈に打たれ強いか、猛烈にやせ我慢の利く者でないと、即座にチキン野郎のそしりを受けてしまうようです。

実は我々視聴者から見ても、ウルトラ世界のチキン野郎が相当に間延びして見えてしまったエピソードがあります。

それはウルトラセブンに登場したアイロス星人。

彼はエメリウム光線を喰らった時点では顔色を変えずに耐えましたが、続けてアイスラッガーを撃たれそうになったとき、やせ我慢の限界がきたのでしょう。両方の翼を閉じてその場で回転をはじめてしまいました。

V3から来た男

(どっちが先攻かを決めているオフショット・・後出しで敗北寸前! ここからのセブンの右手に注目だ!)


セブンは、アイロスが防御に入ってからアイスラッガーを飛ばしていますから、この時のアイロスの動作は空気を読まない早めのチキン行為です。

セブンにとっては心外だったでしょう。

「既に相手が防御を整え切っていると知りながら、わざわざそこへ向けて技を出す」

これがボクシングだとどう見えるか?
「相手ががっしりと腕を体につけてブロッキングの構えを取っているその腕に向かって、得意のKOパンチを放つ」ということになる。

これは相当マヌケな姿で、客もしらけるし、実況のアナウンサーにしても、その攻防を表現する言葉を探すのに苦労すること請け合いです。

アイロスはこれをやってしまった。

いっそセブンは両手を後頭部に添えたまま、構えだけしてアイスラッガーを撃たず、目の前でグルグル回っているアイロスをじっと見守っても良かったのです。

そして、やめどきを失ったアイロスが耐えきれずに動きを止め、こう叫ぶのを待ちます。

『やれよ!!』

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posted by 四緑文鳥 at 18:00| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月14日

ウルトラ戦闘の効率(11)

前回、ウルトラセブンが張ったバリアの話が出ましたので、ここでちょっと「防御の効率」についても考えてみましょう。

ボクシングでは、ダッキングやヘッドスリップなどの多彩なディフェンスがありますが、どれも相手の攻撃は皮一枚程度で躱すことが前提です。
たとえ相手が得意のKOパンチを打ってきたからといって、1メートルも飛び離れて躱したのでは思うように反撃もできません。

やはり、攻撃はギリギリで躱すか、ガッチリとブロックして防ぐのが理想です。

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これもウルトラ式に変換してみますが、そもそも攻撃自体が隙だらけな彼らですから、その防御方法だってどっちもどっちといった感があります。

ウルトラマンが両手で十字を作っているのに、なぜか真正面でひとりエグザイル的な、その場に突っ立って上半身で弧を描くようにグイングインしている怪獣の姿が脳裏を横切るのは、決して私だけではないハズ。

ウルトラマン側でも、怪獣がのけぞって「絶対何か吐くな」と読めている場合、まれに飛び下がって身構えることもありますが、そのままの体勢で喰らってしまうことも多い。

これがなぜかという謎を解くために、ひとつの実例を挙げてみましょう。

1983年の新日本プロレスで、初のIWGPトーナメント戦が行われました。

ヨーロッパから凱旋帰国した若手人気レスラーだった当時の前田日明戦で、アントニオ猪木が見せた
「ジャーマンとわかっていながら、あえて抵抗せずに喰らったうえでフォールを跳ね除け、続けて繰り出されたドラゴンスープレックスもあえて喰らって跳ね除ける」
というパフォーマンスなのかもしれません。

しかし、少なくとも猪木さんは2回ともポーカーフェースを貫きました。

ウォールステッカー プロレス 「ジャーマンスープレックスホールド」

ウルトラマンは、あえて喰らった割には声を上げて苦しんでしまっているので、どう見ても「ただのニブイ奴」にしか見えません。

防御効率は怪獣とどっこいどっこいなのです。
posted by 四緑文鳥 at 13:04| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月01日

ウルトラ戦闘の効率(10)

前回、「ポーズが必要な技は効き目(効率)に問題あり」という話をしましたが、逆に光線自体はノーモーションで出せるが、そのときだけ動きが止まるタイプも多かった気がします。

たとえばウルトラセブンに登場したビラ星人などは、かなりの至近距離からビームを放ったにもかかわらず、あっさりとバリアに阻まれます。

この時セブンがバリアを張る動きは、胸前に突き出した両手を、肘を伸ばしたまま左右に広げるというものです。

実際にやってみるとわかりますが、これはかなり緩慢な動きで、至近距離から発射された光系の攻撃に対して十分な効力を発するには、どう考えても時間がかかり過ぎな気がします。

おそらくビラ星人は、動きを止めた時点でセブン側からボクサー並みのフェイントを仕掛けられて動揺し、光線の出し時を失ってイップス状態になり、そこに付け込んだセブンによって、“撃った”というより“撃たされた”状態だったことがうかがえます。

セブンにとっては、自分がコントロールして出させた光線ですから、間の取り方は十二分に把握済みです。

『見てから防御余裕シタ』


あの半笑いの唇が、如実にそれを物語っています。

消された時間

「ヨーシヨシヨシヨシ」

王国の新たな仲間『ビラ』を手なずけるムツトラセブン
posted by 四緑文鳥 at 11:21| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする