2020年04月08日

②ハリセン代わりのアイスラッガー

ウルトラマンの八つ裂き光輪は、別名「ウルトラスラッシュ」と呼ばれています。
なぜわざわざ英語でいい直すのか、理由は定かではありません。


〈価格〉【・ 】 CCP 1/6特撮シリーズ ウルトラマン ウルトラスラッシュ (八つ裂き光輪) 2.0Ver. (「ウルトラマン」より)


それなら、スペシウム光線は「スペシウムビーム」や「スペシウムフラッシュ」とかいうのか?
少なくとも私はこれまで、そんな表現に出会ったことはない。

八つ裂き光輪はたしかに「切る技」なので「スラッシュ」という言い方は相応しいと思います。
だから彼も、自信を持って英語の名前を付けたのでしょうか。

私はウルトラ戦闘の効率(4)で、ウルトラの光線はリーチの長い物理攻撃ではないかと書いたことがありますが、どうやら「スペシウムフラッシュ ( -`д-´)キリッ)」と言っていないところを見ると、スペシウム光線が多少怪しく見えてきます。

ウルトラ戦闘の効率(4): データベースのトリセツ(絶対的番外編)
とはいえ、たしか小学生の頃に「八つ裂き光輪はスペシウム光線の形を変えたもの」と書いてある本を読んだことがあります(決定版ウルトラ兄弟だったかなぁ?)ので、材質はともかく八つ裂き光輪は、切削用に加工された使い切りの用具であることは確かなようです。

「使い切り」では衛生面はともかく、コストパフォーマンスが悪いからだったのでしょうが、株式会社M78の二代目支店長・ウルトラセブンは、♪包丁一本頭にさして、新しい勤務地にやってきました。

第1話では、出会い頭にクール星人をズバッと斬り、「ボケが成立してから突っ込めよ!」と楽屋で叱られる駆け出し時代を経験します。

大怪獣シリーズ 「クール星人」 少年リック限定再販


第2話では、150メートルもあるワイアール星人を「デカいだろ!」と突っ込んで3つに切り分けます。

緑の恐怖


第3話ではエレキングに対し、不必要と思われるほど執拗な切断を行って、尻尾や触覚を次々に切り落としたすえ、首まで落とす仕打ちでした。
これは、打ち合わせでは尻尾で拘束されるだけと聞いていたのに、本番で電気ビリビリが加わっていたため、大竹さん セブンはディレクターへの怒りを、指示通りにやっただけのエレキングにぶつけてしまったためと考えられます。

2018年5月28日放送


このように当初から連発する得意技で、とにかく、包丁のように手に持つことなく飛ばして斬ることができ、斬った後は頭の定位置に返ってくる、便利で恐ろしいアイテム「アイスラッガー」。

「血とかついてんじゃねえ!? 大丈夫なのかそれ!?」と、大竹さんなら大騒ぎするであろう『怪獣を切断したアイテム』を、拭きもせず頭に再装着するセブン。

ズンズン伸びる北品川


彼が潔癖症ではないことは、この事実だけでも明らかでしょう。
次回に続く

posted by 四緑文鳥 at 19:28| Comment(0) | セブン支店長の腕前を考察する | 更新情報をチェックする

2020年04月05日

①「技」と「スキル」はどう違うのか?

「ウルトラ戦闘の効率」の記事を書いていて思いました。

ウルトラ戦闘の効率(1): データベースのトリセツ(絶対的番外編)
彼らは多彩な技を持っている。
しかし、「使い方のテクニック」はどうだろうか?

いや待てよ?
そもそも「技」「テクニック」って、それぞれどんな意味だ?

「スキル」は何となく「技」と同義な気がする。というか、どちらも名詞をイメージする。

一方「テクニック」という言葉には、動きを感じる。
上手に動く人を「テクニシャン」というからだろうか?

動いたときの速度や精度の高さを表すのが「スキル」

そして「技」は速度と精度を実現化する、特定の事象


そんなイメージですが、どうも曖昧です。
だから試みに調べてみました。
そんなマジに知りたいわけじゃないので、手っ取り早くGoogle先生に訊いてみた。

すると、私のイメージは違っていた。
技:技術、手法、テクニック、技法、方法、技(ww)
テクニック:技巧、技術、技法
スキル:教養や訓練を通して獲得した能力


これによれば、「技」と「テクニック」はどっちもどっちといった感じで、お茶を濁された印象なのに対し「スキル」には人間性や実力を感じます

技やテクニックしか持たない人に比べて、スキルを持つ人は、習慣や努力によって裏打ちされた『頼りになる人』という気がしてきます

これといったフィニッシュ・ホールドを持たなかった、ヘビー級転向後の藤波辰爾は、パッとしない「雪崩式ブレーンバスター」ぐらいしか目立たなかったが、安定性のある綺麗な試合運びができるアーティストだった。

藤波辰巳 プロ・レスリング・アルバム 23 ザッツ・レスラーVol,9 改訂版 行け!飛竜の10番勝負 Never Give Upだ 


デビュー直後の高田延彦とタッグを組んだ戦いでは「いいところまで相手を料理して高田にタッチ」という、指導に気を配っている様子が伝わってきました。
当時中学生だった私にもわかる美しい試合運びが、いまだに記憶に新しい。

当時30歳の藤波選手でさえ、あれだけレベルの高い試合運びが可能な「スキル」を持っていた。
2万年もの歳月を生きてきたウルトラマンは、さぞかしスキルが高いことでしょう。

彼の弟分のひとりであるウルトラセブンでも1万7千歳。
3千年の開きがあるとはいえ、経てきた時間を考慮すれば、技がイマイチでもスキルは充分。
戦い方は上手なはずです。

しかも、ほとんどの技が手からしか出せなかったウルトラマンに対し、セブンにはビームランプがある。

それに、今までの概念を破った「切る物体」であるアイスラッガーを頭に装着している。

ウルトラセブン Blu-ray BOX I


多彩な技を持つ彼は、タイガーマスク並みに私を楽しませてくれました。
「技のデパート」「12種類のスープレックス」「七色の変化球」など、魅せる男は一味違う。

2作目で出て来るとは思えないほど大盤振る舞いな技を持つウルトラセブン・・いや、このブログでいうところの「株式会社M78・地球支店の2代目支店長」の技とスキルについて、少し考えてみたいと思います。
(ホントにセブン好きな私)
posted by 四緑文鳥 at 05:52| Comment(0) | セブン支店長の腕前を考察する | 更新情報をチェックする

2020年04月04日

ウルトラ戦闘の効率(15)

「戦って勝つのは下策。上策は『戦わずして勝つこと』」と言われます。

よしんば戦うことになっても、戦闘自体をイチかバチかの賭けにするのではなく、充分な段取りで勝利の条件を積み上げ、「勝ってから戦う」ことを説く書物にお目にかかることもあります。

株式会社M78の地球支店長・ウルトラマンにとってもそれは同じ。
支店の運営にはカネがかかるので、非効率な戦いが許されないのは一般企業と一緒です。

少ない労力で、いかに成果を上げるか。

20億3千万人のバルタン星人を処理する特大ビジネスの引き合いを、なんと支店着任第2話目で持ち掛けられたウルトラマン。
ウルトラ戦闘の効率(14): データベースのトリセツ(絶対的番外編)

もしも彼の能力が壊滅的に低く、20億3千万のバルタン全員の元に訪問してスペシウム光線を浴びせて差し上げ「試供品です。これ、洗うと繰り返し使えますから」と、マスク2枚を渡すような展開しかできないようなら、彼は即刻クビだったでしょう。

大体、ウルトラマンはスペックは高いが活動可能時間が少なすぎて、どぶ板営業的なことをさせるのには適していません。

制限時間が無いハヤタの姿の時に、出来る限り条件を詰めておいて、クロージング面談のときだけ変身する方法こそ「株式会社M78の地球支店長」にとって最も効率良く成果を上げる早道です。

そういう意味で、対バルタンのビジネスでは大成功を収めたウルトラマン。

途中で取調室にバルタンを連れ込んで弱点を吐かせたシーンはカットされ、のちにメトロン星人とちゃぶ台をはさんで交渉したモロボシダンに「シュールで賞」こそ奪われましたが、たったの30分で20億3千万人に自慢の マスク スペシウムをお届けしたという働きぶりに比肩しうる支店長はいたでしょうか?

S.H.フィギュアーツ ウルトラセブン メトロン星人 約170mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア


やはり変身前の動きは侮れませんね。

しかし、やはり「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
あまりに手際よくやりすぎると、運営上で疑問符が付く場合もあります。

このエピソードに登場するのはウルトラセブン。
有名なセブン支店長です。

(1)キャラの活かしに情熱を燃やす男: データベースのトリセツ(絶対的番外編)
かれは芸術家肌な職人気質であるため、「魅せる」べき場面でそれが出来ないことがあります。

難しいセンターフライをあっさりとキャッチするのでファインプレイに見られない、昭和から平成にかけての西武ライオンズ黄金時代を彩った秋山幸二さんのようなプレイをしてしまいました。

相手はキュラソ星人。
彼はあと10年遅く生まれていたらアンガールズの一員として活躍できていたのですが、いかんせんタイミングが悪かった。

宇宙囚人303


セブン支店長はモロボシダンの姿のままキュラソを追い詰め、あわやそのまま仕留めかけたところでカメラのことを思い出し、ミスディレクションでウルトラホークの操縦を細工して爆発させ、変身の必然性を演出しました。

しかし、あまりにも鮮やかに追い詰めたため戦闘する必要が一切生じず、戦いとしては褒められても番組的にどうだったかは大いに疑問です。

盛り上げることにこだわるセブン支店長としては、第12話よりもこの第7話を欠番にしたかったかもしれません。
posted by 四緑文鳥 at 13:05| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月28日

ウルトラ戦闘の効率(14)

先に科学センターに潜入したアラシの体を操って、ハヤタと地球への移住について交渉するバルタン星人。

アラシと言ったって、石井伊吉…つまりは毒蝮三太夫ですから、このときの交渉の相手がおばあちゃんだったなら、20億3千万の仲間たちが、一人残らず谷根千に住めるよう取り計らってくれたことは間違いありませんが、残念ながらこの時に掛け合ったのはハヤタです。

シルバー川柳特別編 ババァ川柳 女の花道編


このシーンでハヤタが「火星に行けばいいじゃないか」と、バルタンを隣の惑星へ行くように促します。

隣の星に20億人のバルタン星人がいる状態が好ましいものとは到底思えませんが、とにかくハヤタはこいつらに地球へ来られては困るので、何とか追い出そうとします。

しかしこのとき、操っているアラシの体を借りて、バルタンは妙なことを言います。
「ダメだ。火星には我々の嫌いな○○○○○がある」

なぜこんな、聞かれてもいない自分たちの弱点を、初対面のハヤタに明かしてしまったのでしょう。
しかも、音声こそ消したものの、アラシがゆっくりと口パクしているので、どうみても「スペシウム」としゃべっている様子がわかる。

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300万光年のかなた、株式会社M78からたまたま地球に常駐しているウルトラマンとしては、まるであつらえたかのようなシチュエーションにビビッときて、バルタンを結婚相手と見誤ったかもしれません。

なぜわざわざ故郷の星から、このタイミングで地球にやって来た?
スペシウム光線を当てられに来たのか? 竜ちゃんか?
「撃つなよー、撃つなよー」と言いながらタイミング図り
撃たれたら大げさなリアクションして「訴えるぞ!」と言いたいのか?

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ここは是が非でも交渉を荒っぽく決裂させて、戦いに持ち込みたいと、ハヤタはほくそ笑んだことでしょう。


そんなハヤタの下心はさておき、いきなり自分たちの弱点を暴露したバルタンに、違和感をおぼえた方はいないでしょうか?

彼らの二つ名は「宇宙忍者」。
忍びの者がそんなに口が軽くて仕事が務まるのか。

いや、ここにはきっと、我々視聴者には見えないからくりがあるはず。

おそらくカットされたシーンがありそうな気がする。
ハヤタはバルタンを取調室に連行し、電灯の光を顔に浴びせたり、机を叩き、椅子を蹴とばすなど激しいアクションを展開していたことでしょう。

「火星へ行けばいいじゃないか」
と詰められたバルタンは最初
「いや、火星は我々が住むにはふさわしい場所とは言えない」
など、火星へ行けない理由はぼやかして答えたに相違ない。

しかし、ハヤタの尋問テクニックが、バルタンにいい加減な表現を許さなかった。
洗いざらいしゃべらざるを得ないところまで追い込まれたのでしょう。

尺の都合上カットされ、私たちが目にすることができなかったハヤタの尋問。
それはそれは絶妙なもので、しかるべきギミックが行使されていたに違いない。
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おふくろさん


昭和かよ!
(ウルトラマンは昭和41年作品です)

posted by 四緑文鳥 at 21:37| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする

2020年03月22日

ウルトラ戦闘の効率(13)

攻めも守りも効率が悪い。
そして、敵も味方もまた、効率が悪い。

ウルトラの戦闘は牧歌的な、古き良き時代のゆったりとした世界観の中で行われていることが、これまでの記事から見えてきました。

しかし、そればかりとは限りません。
少しばかり違った面から眺めてみましょう。

ウルトラマン第2話で登場したバルタン星人は、科学センターの建物の中で、既に捕らえて操っているアラシの体を借りて、ハヤタと会話をします。

侵略者を撃て

(古き良き時代を思い起こさせる「黒板消しを頭に落とすいたずら」
彼がこれで地球への移住を諦めたことはあまりにも有名だ)



バルタンは故郷の星を失って、移住先を探しています。
本船は近くの宇宙空間に停泊させていて、その中には仲間たちがいる。

平和的種族なら、地球のどこかに住まわせてもいいのかもしれない。

しかし、停泊中の宇宙船に乗っているのは、小型化した20億3千万人のバルタン

これは到底受け入れられるものではない。
交渉は決裂し、バルタンは実力行使を始める、といった流れです。

ただし、戦いはウルトラマンが勝利し、すぐに宇宙船を探して爆破します。

20億人以上の侵略者を相手に戦った割には、あっけないほどの幕切れでした。

ここまでの効率の良さを実現させた秘密は何でしょう。

それは、戦う前にしっかりと予習しておいたからにほかなりません。
「段取り8分、仕事2分」はウルトラ戦闘にも当てはまります。

一番良いのは戦う前に大伴昌司さんと打ち合わせておくことですが、それはチート技の反則行為として禁じられています。
(大伴さんのフルネームを確認しようとGoogleに『大伴』と入力したときの予測変換で気になった『大伴理奈』が気になって検索したら、思いのほかの美女ぶりに執筆が止まったので載せときます)
週刊プレイボーイ! | 大伴理奈オフィシャルブログ「RinaBlo」Powered by Ameba

気を取り直して再開しよう。

この時のハヤタは、バルタンに地球への移住は諦めて、お引き取り願おうとします。
ただ、当然のことですが、人にお断りを言上する際は、言葉選びに気を付けなければなりません。

一方的に「出ていけ」と言えばケンカになります。
同行しているイデは、建物に入る前から完全なビビリでアテになりません。

そんなこんなで交渉人は、ハヤタひとりで務めることになります(セクシー路線を重ねてみた)。
その交渉についての考察を、次回は書いてみたいと思います。

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posted by 四緑文鳥 at 07:22| Comment(0) | ウルトラ戦闘の効率 | 更新情報をチェックする